四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 悠長に考えていた私に、少し離れたダイニングチェアに腰掛けている千冬君が鋭い言葉を発した。

 ……そっか、そういう事もあるんだもんね。みんなと違って私は生身の人間だから、ちょっとの刺激で役立たずになる。

 自分の役目を全うできる自信もないし、またあんな化け物を相手にしなきゃいけないのは……やっぱり怖い。

 おそらく千冬君は、そういう優しさから忠告をしてくれたんだろう。それはとってもありがたい事だ。

 でも、もう私の気持ちは決まってる。

「うん。どれだけ危険に晒されても、世界をちょっとでも守れるなら……やるよ。」

「……強いね、主は。」

 ぎゅっと拳を作って決意を紡ぐと、独り言のように呟いた千冬君。

 強いだなんて……戦うみんなに比べたら全然だし、逆に足手まといになっちゃわないか心配ではある。

 だけどきっと、何もやらないよりは断然いいはずだから。

「みんな……改めて、よろしくお願いします!」

 一抹の不安と恐怖心を押し込んで、今度は立った状態で深く頭を下げる。

 その時に私の人差し指に嵌まっている指輪の装飾が、背中を押してくれるようにキランッと光った。