四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 それでも何とか自分も名乗ってお互いに頭を下げていると、夏生君が退屈そうに千冬君の肩に腕を回した。

「かたっくるしい自己紹介も終わったとこだし、そろそろ主……いや、陽依っち自身の力について説明したほうがいいんじゃねぇか? 千冬っちもそう思うだろ〜?」

「暑苦しいから触るな。お前のことは嫌いって言ってるだろ。」

「千冬っちまで伊春っちみたいな事言うなよ〜、夏と冬だから相性合わねぇのは分かるけどそこまで嫌わなくてもいいだろ?」

「……こんな奴が同じ守護者だとか思いたくないんだけど。」

「はいはい二人とも、主様の前だよ。喧嘩なら後で存分にやっていいから今は落ち着こうね。」

 な、夏生君っていつもこういう扱いされてるのかな……伊春君の時もこんなだったような。

 目の前で繰り広げられる口論に、場を宥めてくれる秋君と同じようにぎこちなく口角を上げる。

 ま、まぁ喧嘩するほど仲が良いって言うし、もしかしたら一周回って気が合うのかも……なんて。

 みんなのことを全然知らない私がそう思うのはちょっと違う気がして、自分から別の話を切り出した。