四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 もしかしたら私に何かできるかもしれないし、今着けてる指輪もすごい力がありそうだ。

 ルビーのように輝いている指輪に視線を落としながら、催促しようと顔を上げる。

 でもそれと同時に、知らない内に隣に座っていた夏っぽい彼が先に口を開いた。

「フィアスコが生まれないようにする方法はただ一つ、地球温暖化を止める事。」

「夏生、何勝手に……!」

「だっていつまでも伊春っちが喋んないから〜。主だって知りたがってたし、教えるくらいよくな〜い?」

「温暖化を止めるなんて、私たちでできるわけがないだろう! そんな無責任に言える事じゃ――」

「教えるならタダじゃん? 伊春っちはほんっと頭固いよねぇ。」

 ……温暖化を止めなきゃ、またあんな事が起こるって事?

 二人が言い合っている横で、さっきの酷暑を思い出す。

 あの異常気象を起こしているのはフィアスコっていう化け物で、生まれなくする為には温暖化を止めなきゃいけない。

 けどそんなの、一般人の私にできる事じゃない。権力も地位も名誉も何も無い、私に。