四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

「んわっ!?」

 声の主は裏門で放ってしまった夏っぽい彼で、いつの間にか目の前に来ていた。

 びっくりして反射的に距離を取ると、彼は朗らかな表情で「あちゃー。」と口にする。

「流石に警戒されちってるかぁ? 主の『全然状況分かんな〜い!』って気持ちも分かるけど、せっかくの縁だし楽しくいこうぜ〜!」

「分かっているなら急に距離を詰めるのはやめなさい。……度々申し訳ありません、主様。こいつは無視して構わないので、あちらで説明させていただきますね。」

「おい伊春っち、その扱いは流石の俺でも泣くぜ〜?」

 湯気が立っているティーカップをリビングの中央にあるテーブルに置き、本日3度目のチョップをお見舞いした春っぽい彼。

 彼は痛がる夏っぽい彼を横目に清々しいほどの笑顔を浮かべて、私にそう声をかけてきた。

 正直早く説明が聞きたいし、痛がってる彼は後で心配するにしよう……。

 チラッと頭を押さえる夏っぽい彼を見てから、控えめに頷く。

 そのまま促され座るのにも恐縮してしまうふわふわなソファに腰を下ろすと、真向かいに腰を下ろした春っぽい彼が早速口を開いた。