四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 か、カオスな状況だ……連れてこられた場所も含め、いよいよ現実かどうか怪しくなってきた。

 なんてったって、今私が立っているのは有名な超高級マンションの裏門。

 新築で45階建て、ホテルのように綺麗な内外装ゆえ家賃も想像したくないほど高額……とネットに書いてあった。

 いやいやまさか、こんなところに住んでるわけじゃないよね……と思いたかったのに、二人ともしっかりここの鍵を持っていた。

 気を抜けば卒倒しそうな現状に、春っぽい彼は穏やかに笑いかけてくる。

「主様、ご安心を。私たちは人間としてここに住み、ちゃんと生活しております。主様の懸念点は全て解決できるかと。」

「……そ、そっか。それならちょっと安心、かな……。」

 これっぽっちも安心してできる要素はないけど、表面上そう言っておく。

 それにしても……人間としてって、この二人は人間じゃないって事? さっきも『そんな説明じゃ人間の主にはさっぱりだろぉ?』って言ってたし……。

 なんて考え込んでいると、痛みが引いてきたのか頭を押さえた夏っぽい彼が思い出したように声を上げた。