四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 さっき連絡したばかりなのに予定を変えちゃって、何だか申し訳ないな……。あんな異常気象だったのに飛び出しちゃったから、お母さんに心配かけただろうし。

 でもちゃんと電話で伝えると意外にもあっさりした返事で、ちょっぴり拍子抜け。

 まぁこのくらい軽いほうが私の気も楽だし、ありがたいと思っておこう。

「んで主ぃ、用事は済んだかぁ?」

「い、今終わったとこ……!」

「ならさっさと行こうぜっ、俺に春のあったかい空気は合わねぇからよ。」

 通話終了ボタンを押した直後、待ってくれていた夏っぽい彼が近付いてくる。

 そして肩を抱こうと私の背中に手を伸ばした彼は、同じく待っていた春っぽい彼に頭を引っ叩かれた。

 しかも、パシーン!と音が鳴るくらいの強い力で。

「痛ってぇ!! 何すんだよ伊春!」

「乱暴な言葉遣いのまま主様に触らないでください。……主様、こんな男は放っておいて行きましょう。」

 え、放っちゃっていいのっ? 涙目になって頭押さえてるくらいなのに……扱いが雑すぎる。

 今にも地面に倒れそうな彼に、一方で叩いた本人は清々しい笑顔を向けてきていた。