四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 そう、一人で頭を精一杯悩ませていた時だった。

「おいおい伊春っち、そんな説明じゃ人間の主にはさっぱりだろぉ?」

 前触れもなく、頭上から跳ねるような声が鼓膜を揺らしてくる。

 えっ、今度は何っ……!? もうお腹いっぱいなんだけど……!

 なんて愚痴の1つも言いたくなったけど、そんな隙は与えられず間髪入れずに空から人が降ってきた。

「……ようやくですか。」

「これでも早めに来たんだぜ〜、まぁ伊春っちじゃないと倒せねぇ相手だったらしいけどっ。」

「主様の前です、私語を慎んでください。」

「そんなのつまんなくね〜? なっ、主もそう思うだろ?」

「へっ!? えっと、私は……」

 降ってきたのは伊春と呼ばれた彼と同じくらいの年の男の子で、似たような軍服を身に着けている。

 違うとすれば、帽子の紋章がトランプのダイヤな事とオレンジのタスキを掛けているところ……かな。あとワンポイント諸々の色がオレンジなところも。

 見た目も特徴的で、癖っ毛なのか踊るように跳ねている太陽に似た髪色と茂る木のような緑色の瞳の持ち主。