四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 その圧に負けないようぎゅっと瞼を閉じていると……5秒と経たない内に風は落ち着きを取り戻し、全て残らず消えていった。

「……これで、良かったの?」

「はい。試しに主様、現在の気温を調べてみてください。」

「う、うん……――って、え!? 嘘っ!?」

 彼に促され、ポケットに入っていたスマホの天気アプリを開く。

 と、同時に飛び込んできたのは“13℃”と表示された画面。

 思わず素っ頓狂な声を零し、何度も目を擦って確認する。だってこんな急に気温が下がるなんて、それこそ信じられない。

 だけど数字が変わる事はなくて、慌ててスマホから顔を上げた。

「ね、ねぇっ、一体何が起こってるの!? どうして気温がいきなり下がって……」

「これが主様の持つお力です。細かい事は後ほど説明させていただきますが、主様は世界の命運を握るお力をお持ちなのです。」

 噛みつくように彼に問うも、落ち着いた様子で淡々と説明する薄紅の髪を持っている彼。

 そういえば、言われるがままにやっちゃったけど……彼も怪しすぎる。