四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 だけども私の身長の半分はほどの大きさで、声を発す前に伊春君が私の腕を引いて自分の背後に隠した。

「“アビリティアンロック”。」

 一言伊春君がそう呟くと、彼の姿が瞬く間に軍服姿に変わる。

 そしてこなれたようにサーベルを引き抜いた伊春君は、フィアスコの意表を突く為わざと身を翻して……背後に回り、一度だけ攻撃した。

 するとフィアスコは、砂が風に吹かれるようにサーッと姿を消してしまう。

 でもフィアスコが現れたって事は、あの呪文を唱えなきゃいけないよね……?

 そう思って慌てて自分の手を持ち上げると、私の心を読んだのか伊春君がクスッと笑った。

「大丈夫ですよ、主様。今回のフィアスコは低級なので、呪文を唱える必要はありません。」

「そ、そういう事もあるんだ……!」

「はい。ただ、低級フィアスコは力を持ったフィアスコよりも発生しやすいので、他の場所にも発生している可能性が高いんです。一匹出れば百匹発生しますからね、フィアスコは。」

 やれやれと困ったように呆れた息を零し、サーベルを腰に戻す伊春君。