四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

「えっ、何これっ!?」

「すぐ終わりますので、もう少しお待ちください。」

 驚いて咄嗟に手を離そうとすると、彼の強くはないけど圧のある力で止められてしまう。

 見た目から私と同い年の男の子っぽくて、力じゃ敵わない事はすぐに分かって諦める。

 しばらくして、本当に治療できたのか私から彼の手が優しく離れていった。

「これでもう痛くないと思いますが、どうでしょうか?」

「……本当だ、もうヒリヒリしてない。」

「それなら良かったです、主様に怪我をさせるなんて“守護者”失格ですから。」

 人当たりの良い笑顔を浮かべる彼から、またよく分からない言葉が飛び出してくる。

 “主様”も気になるけど、“守護者”とは……?

 それを尋ねようと口を開くも、彼が跪いて私を見つめてきたのが一足早く。

「主様、唐突だとは重々承知していますが……どうか私に、主様の力をお貸しください。この異常気象を正す為に。」

「力って……そ、そんなのないよっ! 私一般人だし……!」

「いえ、主様にはこの気象を元に戻すお力があります。主様は“統治者”なのですから。」