四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 ……俺は本当に、この行き場のない気持ちを仕舞い通す事ができるのだろうか。

 俺たち守護者に振り回されながらも笑顔を絶やさない陽依を見つめながら、ふと不安に苛まれてしまう。

 自身の感情や赴くままに背くのはあまり好ましい事ではない、人間は良くも悪くも素直に創られているのだから。

 だがそれでも……この恋情だけは、陽依の枷になるばかりだろう。

 陽依にはできるだけ危険を冒さず、安全な場所から手伝ってほしい。その気持ちは本物だ。

 ただでさえ統治者として常に危険な立ち位置にいる陽依に、これ以上の重荷を背負わせたくない。

「伊春君、もしかして体調でも悪い?」

「……いえ、私は平気ですよ。ただ考え事をしていただけなので、気になさらないでください。」

「そ、そっか……じゃあもし体調悪くなったり何かあったら教えてね?」

「はい、承知しました。」

 陽依の重荷になんて、なりたくないはずなのに。

 彼女の多種多様な表情や言動を見る度、庇護欲がどんどん増していく。

 夏生のように陽依を笑わせるのも、秋のようにいじわるするのも、千冬のように甘えるのも、全て俺一人で事足りる。

 自分だけの手で守りたい、ずっと傍で仕えていたい……――陽依も、俺のことしか考えられなくなってしまえばいいのに。