四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

「や、やだっ……来ないで……っ!」

 太陽で熱されたアスファルトが痛いくらい暑く、上手く力が入らない。

 トーチシャって、チカラって何の事……!?

 なんて尋ねられる相手じゃなくて、黒いもやもやした熊は私に大きく腕を振り上げた。

「っ……!」

 もう、ダメかもっ……。

 そんな覚悟をして、思いっきり目を瞑る。

「……、?」

 だけど、痛みは全然やってこない。それどころか、むしろちょっと涼しいような……?

 そう不思議に思い、恐る恐る瞼を上げてみる。

 すると、私の目に飛び込んできたのは白銀に光る刀を持った……軍服のようなものを来ている、桜みたいな男の子。

「間に合って良かった。……お待たせしました、我が(あるじ)様。」

 黒い熊のような何かはそこにはもうおらず、彼が鞘に刀を仕舞いながら私に視線を向ける。

 そんな彼の表情は慈愛に満ちていて、暑さも重なって私の頭はショート寸前だった。

 ……――彼は一体、何者?