四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 ……――俺たちは本来、感情を持たないただの守護者だった。

 地球温暖化の影響で洩れ零れた季節の欠片から俺たちは創造され、人の形と魂を授かった。

 その使命は、世界と我々になくてはならない統治者と呼ばれる主様を守り通す事。

 それさえ遂行できれば、主様とは深く関わり合うつもりなんてなかった。

 ……はずなのに。

『……それって、何をすればいいの?』

『うん。どれだけ危険に晒されても、世界をちょっとでも守れるなら……やるよ。』

 あろう事か俺は、守護する対象である主様……陽依を好きになってしまった。



「なぁ伊春っちよぉ、陽依っちにいい加減告んねぇの?」

「……突然何を言うかと思えば、どうしてそんな話になるんですか。」

「だって伊春っちが陽依っちを好きなのは秋ちゃんたちも知ってるだろうし、俺でも分かるくらいなんだぜ? 陽依っちも伊春っちに気があるみたいだし……どうなんかな〜って。」

「それは夏生だってそうでしょう? 恋敵に塩を送る真似をしていいんですか。」

「別に塩を送ろうが砂糖を送ろうが、結局行動すんのは伊春っちだから俺関係ねーし。ま、伊春っちが何もアプローチしねーんだったら俺が陽依っちを嫁にするからなー。」