四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 このハンカチ気に入ってたのになぁ……帰ったらまた着替えて、一緒に洗わなきゃ。

 真新しいはずなのにもうヨレヨレのハンカチをぼんやり見つめ、はぁ……と溜め息を零す。

『トーチシャ、ミツケタ! ミツケタ!』

「…………え?」

 瞬間、目の前から甲高い声が飛んできた。

 慌てて視線を上げるとそこには……黒い蝶々のような、“何か”がそこにいた。

 こんな日に蝶々?と思ってじっと見つめていたけど、どうやらただの蝶々じゃないみたいで。

『ヤッタ、ヤッタ! トーチシャミツケタ!』

 叫ぶように喋り始めたかと思うと、一瞬にして大きな熊のように姿を変えた。

「え……な、何っ……!?」

『トーチシャ、イラナイ! イラナイ!』

 熊のような何かは私めがけて覆い被さってきて、間一髪で避けられたけど力で敵う相手じゃないのは一目瞭然。

 っ、何が起こってるの……!?

 必死に理解しようにも目の前には既にその何かが仁王立ちしていて、逃げようにも腰が抜けてしまう。

『オマエノチカラ、ジャマ! イラナイ!』