四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 だけどそんな事、今は流石に聞けないっ……。

 普段とは全然違う伊春君の様子に私はドギマギしっぱなしで、彼の腕から逃げる事も忘れるくらい頭がショートしそうになる。

「今度は夏生も主とイチャイチャしてた……。」

「流石は我が主様、罪な女の子だね。」

 でもちょうど合流した秋君たちの声で、ドキドキ過多で止まっていた思考が動き出した。

 一瞬で現実に引き戻された私はすぐ伊春君の腕の中から脱出し、火照った頬を手でパタパタ扇ぐ。

 ……こ、こんな調子で今日大丈夫かな。



 サステナブルパークは薄々勘づいていた通り、たくさんの人で溢れていた。

 家族や友達同士、カップルも多くて、入場できたのはパークに到着してから20分後。

 パーク内は開けている場所がたくさんあるからそれほど人も密集してなくて、移動遊園地とは思えないくらい本格的。

「へぇ、移動式って聞いてたのにこんなすげーのか。やっぱ面白い事考えるな、人間って。」

 隣に立っている夏生君は興味津々と言う感じでパークを見回していて、見ているとふふっと頬が緩む。