深夜。
私はベッドの上に仰向けになったまま、薄暗い天井をぼんやりと見つめていた。
……眠れない。
というか、眠れるわけがなさすぎる。だって、目を瞑るたびにさっきの出来事が鮮明に脳裏にフラッシュバックしてしまうのだから。
『好きだよ、千歳』
は?
今考えても、は?以外の感想が出てこない。
なんなの?一体どういったコンテクストがあっての告白?
途中まで、私のことが嫌いで嫌いで仕方ないみたいな目を向けてきたくせに──私がキレた瞬間、急にキス?
やり取りの中にあった全ての要素が繋がらなさすぎて、思考回路はショート寸前だ。疲れすぎて変な夢でも見たんじゃないかと思ってしまう。
それか何かの罰ゲームか、はたまたドッキリカメラか。何にせよ、本気で起こったことだとは到底思えないのだ。
「はぁ……」
重たいため息を吐いて、ごろっと寝返りを打つ。
唇にはまだキスされた時の感触が残っているような気がして、思わずごし、と服の袖で拭った。
……顔が熱い。
私は羽織っていた薄手のパーカーを脱ぎ捨て、再度枕へ顔を埋めた。
せっかく今日は篤彦がいなくて、落ち着いて寝られると思っていたのに──これじゃ一ミリもリラックスできないじゃん。
一体明日からどんな顔をして翔に会えばいいのか。どう返事をすればいいのか。いや、そもそも彼は返事なんか求めてるのかな?
