「…………」
自分が今までやってきたことの傲慢さを、翔が私のことを嫌いな理由を、初めて真正面から突きつけられた。
全身の血が、さあっと足元に落ちていくのが分かる。呼吸は浅くなって、背中に変な汗が滲んでいる。
何か反応しなきゃ。
頷くとか、謝るとか、何か。
そう思うのに、身体は凍りついたみたいに動かなくて、私はただ俯くしかできなかった。
そんな私を見下ろして、鬱陶しそうなため息を吐く翔。そのまま苛立ったように、額に落ちていた前髪を片手でかき上げた。
「あと、お前さ。あのルール、本当に機能してると思ってるの?」
……ルール。
それが何を指しているのかは明白だった。遥風たちからのスキンシップを制限している、あのルールのことだ。
……実は、翔にこれについて本格的に突っ込まれるのを、ずっと恐れていた。スキンシップにあれだけうるさかった天鷲翔が、私の始めた『ルール』について何も思っていないわけがないのだから。
萎縮しながらも、彼の鋭い視線に答えを促され、なんとか声を絞り出す。
「……まだ、分からないですけど。少なくとも俺は、ファイナルが終わるまでは、そのほうが」
「今すぐにやめて」
言い切る前に、冷たい声が重なった。
「悪影響しかないから」
「っ……」
思わず、言葉に詰まる。
……確かに、翔は私のやっていることについてあまり良く思ってなさそうだとは気づいてたけど。
だからって、そこまで言われるほど……?
胸の奥が、じくりと熱く痛む。
