「I thought Sho went back to Japan because you seduced him.(翔が日本に帰ったのは、お前に誘惑されたからだって勘違いしてた)」
「…………What?(……え?)」
再び思いもよらない言葉に、困惑の声を漏らした。
誘惑?なんで?
私が翔を誘惑してるように見えた?
むしろ私はずっと翔に怯えてたし、彼の方も彼の方で私にこれっぽっちの好意も示さずずっと冷たく当たってきてたのに。
というか、あの冷静沈着現実主義者の翔が人からの誘惑で日本に帰るような人だとでも思ったの?
一体何から聞けばいいのか分からずフリーズし続ける私をよそに、彼は続ける。
「But I talked to him later. Turns out some guy named Shiiki talked him into going back to Japan.(でもそのあと翔と話した。日本に行ったのは、シイキとかいうやつにそそのかされたからだって聞いた)」
……ん。
いやいやいやいやちょっと待って。
すでに処理落ち中の脳内に新たに追加された衝撃情報に、私はとうとう額を押さえてしまう。
シイキ。
私の知っているシイキなんて、椎木篤彦くらいしかいないんだけど。
翔が日本に来たのは篤彦にそそのかされたから、って、どういうこと?
翔は自分の意思でエマプロに参加したんじゃなかったの……?
頭の中で疑問符が大量発生している私。けれど私がそれについての疑問を口にする前に、隣のジャックスが呆れたように鼻で笑った。
「Man, you’re way too obsessed with Sho. It’s getting creepy.(ほんっとお前、翔に執着しすぎだよな。そこまでくると怖いぜ)」
揶揄うようなその言葉に、ローガンは眉ひとつ動かさず、低い声で静かに言う。
「I’m not obsessed with Sho. You know that.(翔に執着してるんじゃない。分かるだろ)」
「Yeah, yeah.(はいはい)」
鋭い眼光に射抜かれても微塵も怯まず、ジャックスはやれやれとでも言いたげに目を上へ向ける。
