──と、そんなヒヤヒヤしっぱなしの恐怖ドライブだったが。
やはりローガンとジャックスと一緒にいればナメられないからか、幸い何事もなく治安の怪しいエリアから脱出することに成功、開けた公園の遊歩道沿いでようやくバイクが停まった。
な、長かった……。
息も絶え絶えでバイクから降りて、顔を上げる。
するとその瞬間、視界に飛び込んできたのは──
マジックアワーの、美しい空。
グラデーションを描く空が人工ビーチにじんわりと溶け込んでいて、すごく幻想的な光景だ。
思わずちょっと目を細める。
普通なら、旅の疲れも吹き飛ぶくらい心休まるロケーションなんだと思う。
……ただ、今は私の両脇を固めている男たちの圧が強すぎて、ロマンチックも何もあったもんじゃなかった。
今はただ、さっさと座って休みたい。
足腰の疲労が限界を迎えていたので、崩れ落ちるようにその場にあった低い縁に腰を下ろすと、すぐに二人も私を挟むようにして座り込んだ。
自分から会話を始める気にはならなかったので、道中で買ってもらったジュースをちまちま飲みながら時間を稼ぐ。
けれど、そんな抵抗も虚しく。
「You changed your hair.(髪、変えたんだな)」
すぐに、隣のジャックスから軽い調子で話しかけられた。
……そういえば、LUCA合宿の時とは髪色が違うんだっけ。
私が何気なく髪を摘むと、ジャックスはじっと見つめてきて、ちょっとだけ目を細めた。
「It suits you. You look hot, actually.(似合ってるよ。かなりいい)」
さらっと息を吐くように口説いてくるジャックス。
相変わらずな彼の言葉を私はちょっとだけ肩をすくめてスルーし、すぐに別の話題を提供した。
