さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



翌日、午後5時ごろ。

空がうっすらと茜色に染まり始める中、私は落ち着かない気持ちのまま、フライヤーチャレンジの準備をしていた。


予定していたのが夕方だったから、日中のレッスン中はずっとソワソワして集中できなかった。

大事な予定が夕方にあると、それまでずっと落ち着かなくて、結局一日を丸ごとその予定に支配されるような感じになるからすごく嫌なんだよね。


しかも、今日は人生初のストリートパフォーマンス。到底平常心でいられるはずがない。

できることなら、このまま何もなかったことにしてさっさと帰宅したいくらいだ。


けれど、これは番組の企画。

そんなわがままが許されるはずがなく、私は結局、重たい足を引き摺りながら一人パフォーマンスできそうな場所を探していた。


見つけたのは、高架下の広いスペース。

そこでは、地元のダンサーらしき人たちが、スピーカーからガンガン音楽を鳴らして思い思いに踊っている。


……ここら辺でやってもいいのかな?

見渡してみるとギャラリーもまあまあ集まっていた。


誰もいないゼロからのスタートより、こういうところの方が便乗できてやりやすそうな気がする。

そう考えた私は、その一角をお借りして、持ってきたポータブルスピーカーをセットした。


そして、その横にフライヤー100枚を、風に飛ばされないようおもりをのせて置いておく。

準備完了。