と、そんなこんなで結局お会計は全て翔に持ってもらう形になり、スーパーから出て寮へ戻る道すがらも、私の購入品が入ったレジ袋はなぜか翔の手にぶら下がっている。
会話はない。聞こえるのは、二人の足音と、袋の中で商品が擦れる小さな音だけ。
……ねえ、何。本当に何、この状況……。
本日何度目か分からないそんな疑問が、脳内を埋め尽くしていた。
一緒に帰ろうとしたのはそっちなのに、なぜ一言も話しかけてこないんだ。誘った側として、もう少し話題提供でもしてくれればいいものを。
私は流石にそろそろ何か話さなければと焦り、ちょうど頭の中に浮かんだ不安をそのまま口にしてみることにした。
「あの」
翔の視線が、微かにこちらを向く。
「遥風って……大丈夫そうですか。今日、練習顔出さなかったし、LINEも返ってこないし」
恐る恐る、そう尋ねてみると。
翔の視線が、スッと興味を失ったように外された。
「知らない。顔合わせてないし」
冷たく返され、会話は1ラリーで終了。
そのまま、さっきより重い沈黙がずしりと落ちてきた。
…………気まずー!!!!
え、なに?もう何をお喋りすればいいのかさっぱり分からない。というか、これ以上何か言っても空気をさらにピリつかせてしまいそうで怖すぎる。
こうなったら、絶対に失敗しない当たり障りのない会話で間を持たせるしかない!!
そう考えた私は、視線をふっと上に向け、ふと思ったかのようにぽつりと呟いた。
