──と、そんなわけで。
それから私たちは、『Dais』全体練習の後、一緒に居残ってダンスの特訓をすることになった。
パフォーマンス本番までのリミットは、およそ一週間。
短い、と思うかもしれないけど、これでも一応、選択肢の中では恵まれているスケジュールなのだ。
というのも、路上でメンバー同士が観客を取り合うことがないように、パフォーマンスは一日一人ずつ順番に披露していくという形式を取ることになって。
ありがたいことに、番組スタッフさんたちが気を利かせてくれて、私の出番の割り当ては最終日の七日後になったのだ。
だから、他のメンバーに比べたら準備の時間はかなりある。
ある、んだけど……
「千歳、大丈夫?」
「……だいじょぶ」
問題なのは、私の体力の方だった。
体力ゲージのキャパが遥風と違いすぎる……。
なぜこの暑いスタジオで一時間ぶっ通し、休憩なしのハイペースで踊り続けられるの?しかもまだまだ余裕そうだし。
とはいえリミットは一週間、こんなところでへばっている暇なんてない、そう思った私は、必死に平静を装うけれど。
「……嘘つけ。一旦休むぞ」
すぐに見抜かれ、練習を中断することになった。
さすがは遥風、私の限界値などとっくにお見通しらしい。
涼しい顔で荷物のそばに腰を下ろす遥風。
私はその隣にほとんど崩れ落ちるように座り込んで、ハンディファンの強風をぶおおおおと顔面に当て始めた。
あっ、つい……
今すぐTシャツの襟をパタパタして、中に風を送り込みたい。
そんなことを思ったけれど、残念ながらできなかった。
