そんな周囲の混乱などどこ吹く風、Mr.Dはパイプ椅子から立ち上がると、鏡の前をウロウロ歩き回りながら話し始めた。
「Actually, Shizuru gave you guys a special mission. And while watching you guys today, boom, it hit me. I found the perfect way to choose the dance break members and complete that mission at the same time!(実は、静琉がお前らにスペシャルミッションを託したいらしくてな。で、今日のお前らを見ている最中に、バーンと閃いたんだ。ダンスブレイクメンバー選抜と、そのミッションを同時に達成できる完璧な案を!)」
自分に酔ったように、そんなことを宣うMr.D。
静琉からのスペシャルミッション……?
もう既に嫌すぎるその文字面に、思わず表情が引き攣った。あのキチガイプロデューサーが考えることに、ろくなことなど一つもないに決まってる。
戦々恐々とする私をよそに、Mr.Dはスタジオの隅に置いてあった自分のスポーツバッグに歩み寄り──
そこから、何やらめちゃくちゃに分厚い紙の束を取り出した。
「Now, anybody know what this is?(さて、これが何か分かるか?)」
私たちの前に掲げられたそれ。
クラブさながらに紫がかった照明のせいで、最初はよく見えなかったけれど──
目を凝らしてみると、それはどうやら。
『ACOMPANHE EMERGENCE PROJECT
A BUSCA PELO PRÓXIMO ÍDOLO GLOBAL
(EMERGENCE PROJECTを見届けよう
次なるグローバルアイドルを探す旅)』
ポルトガル語で書かれた、エマプロの広報フライヤーらしかった。
