「Now, the dance break has three spots. Atsuhiko just claimed the first one, which means two spots are still wide open.(さて、ダンスブレイク枠は三つある。一つ目は篤彦が取ったが──残り二枠はまだ空いているな)」
その言葉に、ハッと現実に引き戻された。
そうだった。篤彦の一件で完全に意識が持っていかれてたけど、まだ残り二人のダンブレメンバーは決まってない。
もう決まってるのかな……?でも、流石にあれだけ盛り上がってたんだから、候補くらいはあるはず。
今回のコレオ披露は、Mr.Dがおかしくなっちゃうのも分かるくらい、全員が全員完成度が高かった。誰が選ばれてもおかしくない。
実力的に、天鷲翔は一旦確定として──あとは誰?遥風か、陽斗か、それとも栄輔か……?
全員が固唾を飲んでレジェンドの口元を凝視、再びスタジオにひりついた緊張が走る。
と、そんな中、Mr.Dは私たちをゆっくり見渡して──
ニコッ、と無邪気な笑みを浮かべた。
「I can’t choose!(選べない!)」
は?
「You all have your own style. Your own strengths. Your own flavor. Honestly, it’s hard to rank you. You guys were great!(お前らにはそれぞれのスタイルがある。強みがある。味がある。正直、順位をつけるのは難しい。全員素晴らしかったぞ!)」
……いやいやいやいや。
じゃあ今の、何のための時間?!
ダンスブレイクの選抜メンバーを絞る参考材料だと聞いていたから、みんなカンヅメになって必死にコレオを考えてたのに。
