……
……意味が分からない。
下手したら今回のコレオがダンスブレイク選抜にモロに影響するかもしれないのに……
ここでもサボるんだったら、そろそろ火消しが無謀になるよ?
もう全てを諦めてバックれようとしてるのかな……
と、そんなことを考えていた私だったけれど。
いざ、今日スタジオに到着してみれば、彼は至っていつも通り。
特段焦った様子もないまま、涼しい顔でスマホをいじっていた。
……なんなの。
思わず、未知の生物に遭遇したみたいな目で彼を凝視する。
すると、そんな私の視線に気がついたのか、彼がふっと顔を上げた。
窓から差し込む光。
さら、と透ける緑がかった前髪。
その奥の瞳は、驚くでも揶揄うでもなく、いつも通りどこか冷たいような──
「見過ぎやろ。そんなカッコいいか?俺」
「うわ」
「キモがんな」
思わず表情を引き攣らせると、彼は『ノリ悪』とでも言いたげに肩をすくめた。
何?ボケだったの?真顔でボケられても乗りづらいからやめてほしい。
「……ツッコんだ方がよかったですか?なわけないやろ!なんでやねん!」
「キショ関西弁やめろ蹴飛ばすで」
いやいやいや。
じゃあなんですか?はいカッコいいですって言えば良かったんですか?誰が言うか!!
私は内心イライラしつつ、どさっとその場に荷物を置くと。
そのまま、彼の隣に腰を下ろした。
いつもは自分から篤彦の隣に座るなんて絶対しないんだけど、今日は、流石に言っておきたいことがあったから。
