さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「Chitose」

「?!」


まさか真っ先に名前を呼ばれると思っていなくて、肩を跳ねさせてしまう。


え、私……?

ある程度は馴染めてたと思ったんだけど、やっぱり悪目立ちしてた?

っていうか、そもそも私の名前覚えてたんだ……視界にも入ってないかと思ってた。


混乱して思考を迷走させつつも、私は「Yes」と小さく返事をする。

するとMr.Dは少し黙った後──サングラス越しに、射抜くような視線を向けてきた。


「Not good. And I hate this kind of dance.(上手くない。それに、俺が一番嫌いな部類のダンスだ)」


す、すごい言ってくるじゃん……。


容赦ない酷評に、思わず口元を引き攣らせる私。

Mr.Dは低い声で、なおも追い打ちをかけてくる。


「No joy. Too calculated. That alone makes me want to fail you.(楽しさがない。計算しすぎだ。それだけで不合格にしたくなるくらいに)」