―*―*―*―*―
──最後のビートが、空気を震わせる。
その瞬間、ぱちん、と脳内で弾けるような音がした。
集中が切れたのだ。
途端、猛烈な疲労感が津波のようにどっと体を襲ってくる。
「……はぁっ、はぁ……」
キツい……。
けど、大丈夫、いつものことだ。
LUCAの時も、四次審査の時もそうだった。
このやり方は必ず強烈なリバウンドを伴う──
けれど、もうさすがに倒れるほどじゃない。
このパフォーマンス方法が確実に自分のものになっているってことだろう。
今回の出来に関しては、何度かミスったところもあったけど……それでも、一歩も動けなかったLUCA合宿と比べたら大きな進歩だと思う。
汗で額に張り付く前髪をグシャリとかき上げて、私は鏡の向こうの自分をまっすぐに見つめた。
今回は、鏡に向き合うのが幾分か楽。
スタジオ内に、全員の荒い呼吸の音が響く中。
評価を下す立場のMr.Dは、食べ終わったアイスバーの棒を弄びながら、目を伏せて黙り込んでいた。
サングラスをつけているせいで、その表情もあまり窺えない。
その反応は、どういう……?
緊張が走る中、彼は数十秒ほどそのままでいたけれど。
やがて──
そばのサイドテーブルに置いていたマイクを、大きな手で掴み取り、第一声を発した。
