さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



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──最後のビートが、空気を震わせる。


その瞬間、ぱちん、と脳内で弾けるような音がした。


集中が切れたのだ。


途端、猛烈な疲労感が津波のようにどっと体を襲ってくる。


「……はぁっ、はぁ……」


キツい……。


けど、大丈夫、いつものことだ。

LUCAの時も、四次審査の時もそうだった。


このやり方は必ず強烈なリバウンドを伴う──

けれど、もうさすがに倒れるほどじゃない。


このパフォーマンス方法が確実に自分のものになっているってことだろう。


今回の出来に関しては、何度かミスったところもあったけど……それでも、一歩も動けなかったLUCA合宿と比べたら大きな進歩だと思う。

汗で額に張り付く前髪をグシャリとかき上げて、私は鏡の向こうの自分をまっすぐに見つめた。

今回は、鏡に向き合うのが幾分か楽。


スタジオ内に、全員の荒い呼吸の音が響く中。

評価を下す立場のMr.Dは、食べ終わったアイスバーの棒を弄びながら、目を伏せて黙り込んでいた。

サングラスをつけているせいで、その表情もあまり窺えない。


その反応は、どういう……?


緊張が走る中、彼は数十秒ほどそのままでいたけれど。

やがて──

そばのサイドテーブルに置いていたマイクを、大きな手で掴み取り、第一声を発した。