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そしてついに、約束の一時間が経過。
ガチャッ!と躊躇なく開かれた扉に、全員の視線が集中した。
ようやくMr.Dが戻ってきたのだ。
けれど、一番最初に見た時とは何かが違う。
というのもまず、目元にサングラスをかけていた。
そしてこともあろうに、右手にはアイスのバー。
え、っと、つまり。
私たちがサウナみたいなスタジオで汗だくになりながら振り入れをしていた間、この人は……
アイスを買っていた……?
(ぶっ殺したい……)
今この瞬間、きっとここにいる全員の脳内ボイスが一致したと思う。
けれどMr.Dは、そんな私たちの殺気など気にもとめず、鏡の前に置かれた椅子にドカッと腰を下ろした。
「Positions. Now.(位置につけ。始めろ)」
一気にピリつく空気。
そこで流石にヤバいと思ったのか、近くにいたスタッフさんたちがまたもや声を張り上げた。
「終わったら皆さんのぶんも買ってきますから!!」
「…………」
そんな彼らの必死さが、なんとか私たちの理性を繋ぎ止める。
別にアイスが欲しいわけではなかったんだけど、これ以上スタッフさんの悩みを増やすのも気が引けたので、私は文句を飲み込み自分の立ち位置に向かった。
