「Yeah, I get it. Must be rough for pampered boys from Japan, trained in shiny studios. But this is Madureira. Deal with it(いや、分かるぞ。ピカピカのスタジオで育った日本の甘ちゃんボーイズには少々キツいだろうな。だがここはマドゥレイラだ。耐えろ)」
いや意味分かんないって。
満面の笑みで投下された謎理論に、思わず頭を抱えたくなる。
ここがマドゥレイラなことは別に理由になってないから。マドゥレイラだからこそエアコンが必須でしょ?!
他の男子たちも一瞬で目の前の彼をイカれ認定したらしく、スタジオには『なんだコイツ』とでも言いたげな白けた空気が流れ始める。
「老害?」
「ド根性昭和ゴリラが」
「声デカ」
「どんな肩幅してんねん」
相手が日本語を分からないのをいいことに、ボソボソと悪態を吐き捨てる甘ったれボーイズ。
途中から関係ないことまで言われてて可哀想。
と、そんなふうに練習ボイコット寸前みたいな空気が流れ始めたスタジオだったけれど──
「収録入りますよー!!」
それを断ち切るように、周囲のスタッフさんたちが声を張り上げた。
