さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「What’s this? You boys already picking a fight with my AC?(どうした?お前ら、もううちのエアコンに喧嘩売ってんのか?)」


初っ端、こちらの必死の抵抗を面白がるような態度。


……いや、なんだそれ。


その茶化すような口調に、スタジオの空気が緊張からピリつきに一転した。

誰が言う?とばかりに、お互いに目配せし合う私たち。


結局、抗議の口火を切ったのは天鷲翔だった。

物怖じせずにツカツカと彼の元に歩み寄り、ハッキリとした英語で告げる。


「Mr.D, this AC is barely working. We’re going to die in here.(Mr.D、このエアコンほとんど効いてません。これじゃ俺たち死にますよ)」


その言葉に、私も大きく頷く。

彼の言う通り、このままでは誇張無しで本当に死んでしまう。物理的にはもちろん、私の場合は社会的にも。


そんなこんなで登場早々、スタジオ中の全員から恨みがましい視線を受けるMr.Dだったが──

当の本人は罪悪感を覚える様子は微塵もないようで、むしろ何故か楽しそうにガハハと笑い始めた。