さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「それ本当なの?」

「分かんないっす。聞いても教えてくれないから……でも多分そうだと思う。だってずっと折れ線グラフみたいなの見てるし」


意味が分からない。

やっぱりお金のため?家族のためにやらざるを得ないの?だとしても株に頼るかな?

私の中の株のイメージなんて、お金持ちが余った資産でやる娯楽みたいなものなんだけど……。


と、ますます首を捻る私の隣で。


「いや、でも俺は納得かもな。なんか情報商材とか売ってそうだしあの人」


真顔で頷きつつ、さらっと失礼なことを言い出す雪斗。


いやいや、そんな……いや……うん……

……


確かに。


誰からともなく、三人で顔を見合わせて。

それが合図になったかのように、全員の悪ノリスイッチがカチッと入った。


「マネーコーチ椎木?」

「いやヤバい」

「【永久保存版】お金を働かせる方法!」

「普通の大学生だった僕が、たった三ヶ月で月収百万円?!」

「今なら、概要欄のリンクから無料相談できるで⭐︎」


と、完全に油断しきって三人で調子に乗り、ゲラゲラと笑い転げていた──

そのとき。


「したろか?無料相談」

「うわっっっ」


背後から落ちてきた低い声に、私たちは揃って飛び上がった。


ギョッとして振り返ると──

そこに立っていたのは、まさかのご本人。