さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



私は彼らの言葉に、昨日の夜から今朝までの出来事を思い返してみる。

思えば私の失言事件以来、特に目立って嫌なことはなかった気がするな。

警戒していたぶん、かなり拍子抜けだった。まあ、それだけ悪編が嫌ってことなのだろう。


……けど、そんな中でも、一つ気になることがあった。

嫌なこと、というより単なる疑問なんだけど……


「あの人、夜中何してるの??俺が寝るまでずっと隣でパソコンカタカタしてたよ」

「分っかる……!!!!」


言った瞬間、栄輔が心から共感するかのようにこちらを指さしてきた。


昨夜、あの人はずっと隣のベッドで、メガネかけながらパソコン作業に没頭している様子で。

一体何やってるんだろう、って思ってるうちに寝ちゃったんだよね。


謎の習性だよね……と首を傾げる私に、栄輔が神妙な顔で話し始める。


「いや、俺もね、何やってんだろうって思って覗いたことあるんすけど……」


そこで一拍。栄輔は私に視線を合わせ、少し声を落とした。


「多分……株」

「株????」


思いもよらなかったワードが投下され、思わず素っ頓狂な声が出てしまった。


か、株って……なんで?

なぜオーディション合宿中に?

そしてなぜブラジルに来てまで、株??