「それがさ……峰間、別に聞いてたより部屋汚くないよ」
「「えっ??」」
私と栄輔の反応が完全にハモる。
え、どういうこと?あの掃除という概念を知らない峰間京が……?
信じられず硬直する私。雪斗は顎に手を当てながら、ちょっと首を傾げる。
「いや、まあ決して綺麗ではないけどさ……日本の時ほどひどくはない。あいつ、千歳に怒られたくてわざと汚くし続けてんじゃね?とかちょっと思った」
雪斗の仮説に、私は息を漏らすように笑った。
考えすぎだとは思うけど……絶対ない!と否定できないのが怖い。
……いや、きっと、部屋が汚くないのはまだまだ住み始めたばかりだからだろう。
これからどんどん汚くなっていくに違いない。
私は雪斗の未来を案じて、心の中で合掌した。
「頑張ってね、これから」
心の底から同情してそう言うと、雪斗はちょっと笑って、軽く前髪をかき上げた。
「まあ、頑張るわ。それより……」
言葉を切ると、彼はちょっと声のトーンを落とし、まっすぐこちらを見る。
「俺が心配なのは千歳の方なんだけど」
「え、そうそう!大丈夫すか?なんかヤバいことされてない?」
すぐさま乗っかってきた栄輔。
篤彦の元ルームメイトということもあり、本気で心配そうな表情だ。
