さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「うん、それは今んとこ大丈夫だけど……ちょっと、いやだいぶ嫌なのがあって」


ちょいちょい、と手招きされて、私と栄輔は促されるまま彼に身を寄せる。

すると雪斗は、ちらっと周囲の様子を確認した後、小声で暴露した。


「あいつ、ヤニ吸ってます」

「えっ」

「ガチッ?!?!」


私と栄輔の驚きの声が重なった。

その反応に、雪斗の方もちょっと驚いたように目を見開く。


「あれ、千歳も知らなかった?」

「うん、気づかなかった……」


そう。

あんなに長い間一緒にいたのに、私は彼の喫煙シーンを見たことがなかった。

喫煙者なら、ライターとか箱とかで分かりそうなものなのに、それらしきものすら見た覚えがないし。

私の前では遠慮してたってことなのかな……?

彼のことはもうだいぶ分かってきたと思っていたから、まだ私に見せたことがない顔があるとは驚きだ。

っていうか、未成年喫煙とか普通にダメだから、後でちゃんと注意しておかないと。


「やーばいっすね峰間京。あいつ部屋も汚いし、色々と最悪じゃないすか」


と、引き気味でのけぞる栄輔。

その言葉を受け、雪斗は少し困ったように眉を下げた。