さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



──けれど。

それを分かった上で、私が言いたかったのは。


私にとって、この合宿最大の敵は『熱』だってこと。


頭に熱が上ると、人間は正常な判断ができなくなる。

そうなったら、またあのときと、LUCAでの夜と同じように変な感じになってしまうかもしれない。


現に、私があの夜遥風と一線を超えてしまったのも、熱のせいだった。

ファイナルという正念場で、しかもルームメイトがアレな状態で、頭を鈍らせるのだけは絶対に避けたい。

だからこそ、ちゃんとファイナルを無傷で乗り切るためにも、ここは体温調節を優先させてほしいのだ。


おそらく部屋の外で篤彦を睨みつけているであろう遥風に、ごめんね、と内心平謝りしながら。

私は近づいてくるスタッフさんに存在を気づかれないよう、じっと暗闇の中で息を潜めるのだった。