さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「……お前、もしかして部屋にいるとき、いつもそんな格好してんの」


そんな格好。

どんな格好だっけ、と改めて自分の服装を見下ろしてみる。


まず、今日現地調達したキャミソールにショートパンツ。

ただ、流石にそれだけではマズいと思って、日本から持ってきた薄手のパーカーを上から羽織っている。


とはいえ、そのパーカーもだいぶ大きめで、気を抜いたら肩から滑り落ちそうになる代物だ。

髪は、暑いからまとめたいけれど、ポニテだと結び目が枕に当たって眠れないから、低い位置で二つに分けてゆるく結んでいる。


……まずい、か。


「ウィッグとサラシは」

「洗わなきゃで、」

「室内履きは?」

「暑くて」

「ダメ」


彼の鋭い視線に気圧されて、私は肩から落ちかけていたパーカーを引き上げる。


ダメ……?

篤彦とのことを心配してるなら、彼は私みたいなちんちくりんにはマジで興味なさそうだし、安心してほしいんだけど。