過去の数々の無茶振りを思い出し、身構える私。
対する巫静琉は、数秒ほど黙った後──
神妙な声音で、静かに告げた。
『お土産を買ってこい』
「……」
『俺に』
「……」
『マラカス』
ブチッ。
通話を切った。
あーーークソ、腹が立つ。
人がこんな極限状態でサバイバルしてるっていうのにどういう性分してるんだ、あのクソギャンブラー。人生大負けしてしまえ。
心の底から呪いながら、私はポケットにスマホを突っ込んだ。
そのまま呆然と天を仰げば、視線の先に広がるのは、こちらを嘲笑うかのように真っ青な空。
ジリジリと照りつける日差しに目を細めつつ、私は一人、心の底から思った。
──ああ。
「帰りたい……」
合宿初日。前途多難なんてレベルではない。
寮に到着して一時間も経っていないというのに、私のHPは早くも底をついていた。
