……いや、まあでも、よく考えたら確かにそうだよね、そうなるよね。
ここは海外だから、日本では自宅から勤務できていたスタッフさんたちも、どこかに泊まらなくちゃいけない。
そうなると、私たちだけじゃ部屋を余してしまうこの寮に白羽の矢が立つのは当然。
完全に失念していた……と頭を抱える私をよそに、朱那さんはどんどん話を進めていく。
「そこで、エマでは一人部屋だった人や、固定のルームメイトがいた人も含め──
今回の合宿での部屋割りは、くじ引きで決めたいと思います」
──終わった。
ルームメイトが、シャッフルされる。
しかも、私の大っ嫌いな『くじ引き』で。
今日一番の絶望イベント、いや、史上最悪の展開になってしまった。
私はその見慣れた箱を睨みながら、一人思考を巡らせ始める。
残念ながら、アンラッキーガール代表の私は、こういう時に一番引いてはいけない相手を引き当てがち。
この暑さの中で、もし万が一男装を知らないメンバーと一緒になったら、隠し通せるはずがないのに。
ああもう、一体どうすれば……。
と、そんなふうに分かりやすく落ち込んでいる私とは対照的に。
「待ってガチすか?!」「あざす!!」と色めき立つメンバーが約二名。
冨上栄輔と兎内雪斗である。
二人とも、それぞれ面倒なルームメイトを抱えていたから、そこから解放されると考えてウキウキになっているらしい。
