なんて、そんな予想をしていた私だったけれど。
いざ目的地の寮に到着、バスから降りてみて、私は拍子抜けした。
……フツーの寮だ。
赤茶けた外壁に、白い窓枠。屋根は低く、全体的に小ぢんまりとしていて、文字通り『寮』って感じ。
身構えていたぶん驚いたけれど、別に不満はない。むしろ、私にとってこれはかなり好印象だった。
だって正直、エマといいLUCAといい、金と権力で殴ってくるようなハイテク設備には飽き飽きしていたし……
こういうののほうが、だいぶ庶民的で安心する。
そして、私たち一行は、キャリーケースを引いてぞろぞろと中に入った。
外国だから、靴を脱ぐスペースは無い。土足入場だ。
入るとすぐに、リビングとキッチンが同じ空間に合わさったようなコモンルームがあった。
こちらも広すぎないけれど、8人が集まるには充分なスペースがある。
端にはキッチンと冷蔵庫、壁際にはテレビとソファ。ソファの前にはローテーブル。
全体的に古びている印象だけど、きちんと掃除はされているみたい。
ところどころに貼られているポルトガル語の注意書きが異国感満載。
空気もなんとなくもったりと重くて外国っぽい。
