さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



……いや、暑い地域なのだから、当然といえば当然だ。

そしてこれから秋に向かう季節、安くなっているのは布面積の少ないキャミなど真夏用の服ばかり。


うーん……。

どうすべきか、と棚の前で難しい顔をし立ち尽くしていた、そのとき。


「Olá! Posso ajudar?(こんにちは!お手伝いしましょうか?)」


突然のポルトガル語に、私は思わず背筋を伸ばした。


なっ、なんて……?


恐る恐る振り向くと、そこにはニコニコと人の良い笑みを浮かべた女性店員さん。

こんがり焼けた肌に、大ぶりのピアス。

そして当然のようにキャミソール+ショーパン。

めちゃくちゃ現地の人って感じだ。


今、挨拶されたのかな?

私はドキドキしつつも、とりあえず申し訳なさそうに笑って、英語で返してみることにした。


「English, okay?(英語でも大丈夫ですか?)」


伝わらない可能性も踏まえ、できるだけシンプルな語彙で伝えると、店員さんは親指と人差し指で小さな隙間を作ってみせた。


「Oh, English! Little, little(英語!ちょっとだけなら)」


……助かった。どうやら簡単な英語なら通じるらしい。


ちょっと肩の力を抜く私に、店員さんはニコニコと笑いながら視線を向けてくる。

そのままこちらを上から下まで軽く見ると、軽く首を傾げた。