さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



全員の姿がそれぞれの店に消えたのを確認してから、私は一人である店に向かった。


そこは、通りの中でも比較的奥まった場所にある服屋さん。

店先には色鮮やかなワンピースや、薄い生地のトップスにショーパンなんかを纏ったマネキンが並んでいる。


……そう。

女性もののアパレルショップだ。


男装状態でこの店に入るのはなかなか勇気がいるけれど、背に腹は変えられない。


リオは思ったよりまだ全然暑い。

今日みたいな気温がしばらく続くのなら、薄手のTシャツが追加で必要になる。


番組用の服は、持ってきた男装バレしにくいものでどうにか乗り切るとして……

今回のお目当ては部屋着だ。


暑くて寝苦しいなんてことになったら、疲れが取れない。


そうなると、きっと精神的にも参ってしまう。

今回のファイナルは特に精神的にしんどそうな予感がするから、きちんと対策しておかなくては。


と、そんなわけで、私は店の前までそろりそろりとやってくると。

周囲に誰もいないことを確認してから、その店にするっと忍び込んだ。


女物の服を経費で落とすわけにもいかないから、もちろん自腹。だからできるだけリーズナブルなものを選びたいところだけど……

そんなことを思いながら、店内を物色し始める。


けれど、いくつかの棚をザッと確認し終えたあたりで、私の表情は引き攣り始めていた。


……なんか。

なんかさ。

露出、多いね?