さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「おはよ、千歳」

「あ、おはよう」


京と私はずっとルームメイトだったから、こうして朝、別々の場所から合流するのはなんとなく変な感じ。


というか、ホテルは一人部屋だったのにちゃんと起きれたんだ。良かった。

などと、何故か親目線で成長を見守る私に、京はニコニコ笑いながら顔を覗き込んできた。


「そんな格好で大丈夫?多分外暑いよ」


彼の言葉に、私はホテルの入り口付近に視線を向けてみる。

天気は晴れ。ここから見たら日差しは強そうだけど……そうは言ってもまぁ、まだ朝でしょ?


今の私の格好は、タンクトップにオーバーサイズのシャツ一枚。

だいぶ薄い生地で、腕も捲っているから、冷房の効いたホテルロビーではむしろ少し肌寒いくらいだ。


「まぁ、大丈夫じゃないかな……昼までには向こうの寮につけるだろうし」


と、左手に着けた腕時計を確認しながら、軽く答えたけれど。

──そんな私の甘い考えは完全なるフラグだったと、このあとすぐ思い知らされることとなる。