エマプロは非情だ。
いや、そんなのは今に始まったことではないのだけれど、ファイナルにして改めてその事実を突きつけられたような気がする。
と、いうのも。
「え……?こっからまた15時間乗んの……?」
世界有数のハブ空港、ドバイ国際空港にて。
リオの空港への乗り継ぎで一度地に足をつけた私は、スマホに表示された有り得ないフライトスケジュールを前に一人顔をしかめていた。
「もう既に11時間乗ってきたよね」
「来たね」
「……で、半分も来てないってこと?」
「うん」
クソじゃん。
隣の遥風の無慈悲な肯定に、私は泣きたくなる。
総フライト時間、約26時間の大移動。
……いや、移動と呼んで良いのだろうか。もはや修行の類じゃない?
地球の裏側ナメてた……。
と、絶望に打ちひしがれる私なんかお構いなしに、この空港はさっきから腹が立つほど明るい。
今が夜なのか朝なのかすらもはや良く分からない。
この無駄にデカい近未来的な建築に、どこかエマやLUCAと同じような匂いを感じる……金と権力の匂い……ノイローゼになりそう。
と、死にかけになりながらソファに沈んでいたそのとき。
不意に、私の耳に、よく通る快活な声が割り込んできた。
