さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「てか、自認コレなんだ。分かってんじゃん」

「いやっ、違う」

「違う?」

「違う。遥風が、なんかやたら猫とか送ってきたから、動物好きなのかなって」

「お前って頭良いのかバカなのか分かんねえな」

「……」


人が必死に考えたことをバカにして……確かにふざけてるみたいだけど、私なりにちゃんと頑張って調べたのに。

私はなんだか恥ずかしくなってきてしまって、顔に熱が昇るのを感じながら、遥風をちょっと睨んだ。


「いらない?」


首を傾げて、手を差し出す。

いらないなら返せ、と。


けど、遥風はそんな私を前に、一瞬押し黙った。

黒い瞳が、何かを堪えるように揺れる。


そして、次の瞬間。

不意に、一歩私の方へと距離を詰め──


ギュッ。


気づいた時には、抱きしめられていた。


……はっ?


何が起きたのか分からず硬直する私に、遥風の声が近い距離から落ちる。


「いる」

「えっ、いや、」

「いい?」

「いや、それは、いいけどっ……」


この人、さっきまでの話聞いてた……?!

あまりに脈絡のない行動に、びっくりして身動きも取れないままあたふたする私。


この人、まさか最初っからスキンシップ禁止なんて守る気なかったんじゃ……!

そんなことを思った私が、さすがに咎めようと口を開いた瞬間。