さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



思わず綺麗にハモってしまった私と栄輔。

そのリアクションを待ってました、と言わんばかりにカメラが抜いてくる。


と、そんな私たちの隣で、翔は軽くため息を吐くと。
肩をすくめ、静かに落とした。


「ブラジルだよ」


……ブラジル。

なるほど。


……

……

……


ブラジル?


ブラジル?!?!


地球の裏側?!?!


壇上の静琉は私たちのリアクションを面白そうに見下ろしながら、冷静な声音を保って続けた。


「参加者たちには今回、ブラジル・リオデジャネイロ北部のマドゥレイラで、短期のダンス合宿を受けていただきます」


……どこまでもぶっ飛んだことを考えやがる。

アメリカの時は、まだ理解できた。

グローバルで活躍するにあたって、本場のエンタメと英語に触れておくのは必須だろうから。


けど、今回のブラジルは何……?!私、ポルトガル語はあんまりできないんですけど!


どよめきに包まれる私たちを、静琉はしばらく黙って見下ろしていたけれど。


やがて再びマイクを持ち上げ──

鋭い光を携えた瞳で、私たちを射抜いた。