「今回の課題曲は、二曲。どちらも今回の審査のために書き下ろされた新曲です。ファイナリストの数が八人と少ないため、グループ分けは行いません。八人全員で、二つの課題曲をパフォーマンスしていただきます」
……八人同じステージか。
このメンツが同じスタジオに集まって、果たして無事に練習が進むのだろうか……と、少し不安になる。
大人数でのグループ審査はトラウマだ。二次が散々だったから。
「では、課題曲の発表に移ります。まずは一曲目──」
彼の合図で、スクリーンがエフェクトと共に切り替わる。
その後、目の前に大きく映し出された曲名は──
『PARADE』
「一曲目は、『PARADE』。楽曲提供・乙瀬凛也、振付提供・鼓朱那。華やかなブラスサウンドと軽快なビートに、壮大なストリングスを重ねた王道アイドルポップナンバーです」
周囲が、少しどよめいた。
なるほど、審査員組の提供曲だ。
1期、2期と、ファイナルでは審査員たちが曲を書き下ろすのが恒例の流れになっていたが、今回は乙瀬凛也プロデュースらしい。
曲の説明を聞く限り、キラキラ王子様グループSiESTAの遺伝子を色濃く受け継いでそうな予感。
今まで私は、スイモニ、マフィア、退廃、和風と、見事に癖つよコンセプトばかり当てがわれてきたから、こういった王道路線はこれが初めて。
最初で最後のアイドルらしい課題曲だ。
王道アイドルポップソングなら、ダンスの難易度もきっとそこまで鬼畜にはならないだろう。
良かった……と安堵する私をよそに、静琉の淡々とした声が続く。
