「全国応募総数、二万五千件。その中からファイナルに選ばれたのは、今ここにいる8人のみ──確率にして、およそ0.03パーセント」
静琉の言葉と共に切り替わるスクリーン。
それを前に、私は思わず目を細めた。
改めて示されると、やっぱりとんでもない数字だよね。
0.03パーセント。分かりやすく言えば、三千人に一人ってことだ。
つまり、今ここにいる私たちは、それぞれ約三千人ぶんの想いを押しのけて、この椅子に座っている。
そう考えると、流石に自然と背筋が伸びてしまった。
ここまで来たら、ウジウジ言っていられない。
ここまで多くの想いがかかったこの番組を、絶対に台無しにするわけにはいかないのだから。
「ここまで辿り着いたあなたたちに残された課題は、あとひとつ──」
言いながら、スッと片手を上げる静琉。
彼が指し示した先には、いつもの大型スクリーン。
そこに映し出された文字は──
『デビュー審査』
思わず、ごくりと喉が鳴った。
「今回の審査は、観客を入れたアリーナで行われます。さらに、当日の様子は全国地上波での生放送が決定しました」
え?なんて?アリーナ?地上波?
淡々ととんでもない事実を投下しながら、真顔で話し続ける彼。
ツッコむ暇もなく、再びパッとスクリーンが切り替わった。
