さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



これからはこうして直接話せるのか、と少し嬉しくなりながら、並んで他愛もない会話を始めたその時。

ふと、彼の横顔に違和感を拾った。


……あれ?


「遥風、またピアス増やした?」

「ああ、これ」


すぐに、さらりと髪を耳にかけて見せてくれる遥風。

……バッチリ開いてる……しかもまた、軟骨の痛そうなとこに……。


お洒落だけど、そういうのってブランディング的に大丈夫なのかな?

清楚系で売っていたアイドルが、ある時期から急に色気付いてピアスを開けまくったり、狂ったように筋トレを始めたりするあるあるが頭によぎった。

そういう変化は、多くの古参ファンには嫌がられるらしいけど……。


と、そんな感想は飲み込んで、とりあえず当たり障りのないことを聞く。


「痛くなかった?」

「全然。音だけキモい。メリメリって」

「うっわ」


グロいよ……。

想像しただけで痛くて、思わず本気で苦い顔をしてしまう。

するとそんな私の反応が面白いのか、遥風はクスクスと声を上げて笑った。