さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



ぴく、とかすかに眉を上げる篤彦。え、と小さく言葉を漏らす栄輔、無言を貫く京。

篤彦がこちらに冷たい目を向けたまま、首をゆるりと傾げた。


「で?」


さらりと流れる前髪の奥、その視線は息が詰まるほどに強い。けれど怯まず、私は静かに口を開いた。


「でも……今この状態で去るのも、それはそれでリスクが大きすぎます。ネット上で余計な憶測を呼ぶでしょうし、何より遥風や京を始めとしたファイナリストたちが精神的に崩れるかもしれない。だから」


そこで一拍置いて、もう一度。

改めて、まっすぐに篤彦と目を合わせた。


「提案が、あります」


上手くいくかは、分からない。

けれど、今この状況で何も動かないのが、一番ダメだと思うから。

私は彼らに、前々からずっと考えてきたことを、ぽつりぽつりと説明し始めたのだった。