SNS上、『遥千』の検索ワードで出てくる批判的な意見の数々。
今までも批判的な意見はあったけれど、それらはすべて検索避けされていて伏せ字検索をしないと出てこないことが多かった。
けれど、今回はどうも様子が違う。間違いない、表立っての炎上だ。
──なんで。
「……見なくていいって」
京が隣で静かに言うけれど、目を逸らせるわけがなかった。
ぐちゃぐちゃに絡まる思考。
バクバクと痛いほどに加速する心臓。
ちょっといいですか、と断って篤彦のスマホを手に取ると、無言でスクロールをし始める。
流れていく様々な意見の中で、一つ、目に留まったポスト。
『遥千地雷だから今週の放送見れない 何分あたりでバックハグありますか?』
──バックハグ。
さぁっ、と全身から血の気が落ちた。
ヤバい。
覚えがある。ありすぎる。
ちょうどLUCAから帰ってきたあたりの練習期間、遥風の私への糖度が明らかに上がってた時期。
私はなんとかして彼のことを避け続けようと奮闘していたけれど、一度、うっかり練習中にハグされてしまったことがあった。
そのときの光景が、どうやら編集で切り取りきれずに画面の後ろの方で映ってしまっていたらしい。
……映ってしまったのか、はたまた意図的に映したのかは怪しいところだけど。
でも、こうやってみると、あの時翔が私相手にLINEで説教してきたのも決して大袈裟なんかじゃなかったんだと思ってしまう。
